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アスティリオンとセリヴァの伝承

【1. 伝承のはじまり】

遥か昔、星と潮の流れを信仰していた人々は、

“約束”を器に封じ、相手に贈る風習を持っていたといいます。

器は、時に祈りであり、時に契りであり、あるいは叶わぬ願いの名残でもありました。

それが**「アスティリオン」と「セリヴァ」**と呼ばれる、小さな器たちの伝承です。

【2. アスティリオン – 時を贈る器】

アスティリオンは、未来の願いを託して贈る器です。

一緒に生きたいと決めた大切な相手に。

贈り手は“まだ見ぬふたりの未来”をこの器に封じ、受け手に手渡しました。

言葉が、光が、音楽が、それぞれの想いの形として、静かに詰め込まれていたといいます。

この文化は東の果てで、手造りの「腕輪」という形で始まり、

北の星地では星図と歯車が加えられ、

南の聖地では宝石細工のように洗練された形へと進化していきました。

今では、「時を贈る器」として各地に名を残しています。

【3. セリヴァ – 添い遂げる器】

アスティリオンを受け取った者が、それに応えるために返す器が「セリヴァ」です。

祈りに寄り添い、時に沈黙で、時に喜びでその想いを受け止める器。

セリヴァはアスティリオンよりも小さく、

瓶の中に海水を象ったガラスや、ささやかな音の粒を封じたものが多かったと伝えられています。

時を“渡す”アスティリオンに対し、

セリヴァはその時を“共に生きる”ことを願う返礼の器でした。

【4. 現在に遺された器たち】

アスティリオンとセリヴァは、今では“標本”として世界各地で発見されています。

贈られなかったもの。返されなかったもの。

あるいは、主のいなくなった器だけが、海辺や街角にひっそりと残されていたのです。

本ページでは、それらの記録を「時の標本」として掲載しています。

もし、あなたの手にひとつの器が届いたなら、

そこに宿る誰かの想いに、耳を澄ませてみてください。

【さらに記録を見る】

  • → 標本アスティリオンを見る
  • → セリヴァの物語へ
  • → L. Lettによる記録集へ
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