ヘッダーメッセージ

No.05 王様になった日

秘密基地のあたりは、

今日も海があったかかった。

風もない、波もない、

それはもう、ぼくたちにとって最高の日だった。

ふわふわ、ふわふわ、

ぼくらは、

大きな魚──守り神のおなかの上で、

ぷかぷか漂ってた。

守り神は仰向けになって、

ひかりの海に、

のんびり、のんびり浮かんでた。

ぼくたちは、

そのやわらかいおなかの上に、

ぴょんっ、とのって、

まるで、

海の王様みたいに、

えっへんと胸を張った。

守り神は、

じっと動かず、

ただ、

のんびり波に流されながら、ぼくらを運んでくれた。

だから今日、

ぼくは正式に、

「海の王様」になった!

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