秘密基地のあたりは、
今日も海があったかかった。
風もない、波もない、
それはもう、ぼくたちにとって最高の日だった。
ふわふわ、ふわふわ、
ぼくらは、
大きな魚──守り神のおなかの上で、
ぷかぷか漂ってた。
守り神は仰向けになって、
ひかりの海に、
のんびり、のんびり浮かんでた。
ぼくたちは、
そのやわらかいおなかの上に、
ぴょんっ、とのって、
まるで、
海の王様みたいに、
えっへんと胸を張った。
守り神は、
じっと動かず、
ただ、
のんびり波に流されながら、ぼくらを運んでくれた。
だから今日、
ぼくは正式に、
「海の王様」になった!


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